お酒と言葉と音楽と

バーボンが好きだ。けど、親父臭いとは言われたくない。 お酒を飲みながら本を読む日々。酔いどれ文学談義をご一緒に如何ですか? BGMも素敵なものを用意。

2015年08月

【書評】ガダラの豚【ネタややばれ】5

こんにちは。
怠慢管理人こと、藤沢です。

『詩のある散歩道』、実はコンスタントに売れておりまして、
うれしい限りです。
(もし興味があれば、右の著作紹介からどうぞ)

そんな中ですが、ブログも更新せねばと思い、
以前に読んだ印象深い商業作品をレビューしようと思います。





ご紹介するのは、大好きな中島らもさんの『ガダラの豚』です。
この小説、三巻完結となってまして、かなりの長編小説です。

で、肝心の中身ですが、かなりの面白さです。
私自身も、寝る時間を削って、どきどきしながら読み進めました。
中島らもさんの方向性にはあまりみられないような、
これぞエンターテインメントといった感じのものです。
(らもさんの小説はわかりやすいので、エンタメ向きかもしれませんが)


<ストーリー導入>
アフリカの呪術研究の第一人者で民族学者の大生部多一郎。
彼は8年前のアフリカ調査で長女を事故で失って以来、アルコール依存となってしまっていた。
その傍ら、妻はオカルト的な奇跡を売り物にする新興宗教にはまってしまう。
オカルトと、現実の交錯する環境で大生部の立ち回りが始まり、
必然なのか運命なのか、
大生部は、テレビ局の企画で再びアフリカ呪術の取材に行くことになる・・・・・・。


【ここから感想】

いやあ、この小説、本当に面白いです。

1巻は、新興宗教などのオカルトを暴いていくエンタメ展開。
2巻は、もう行くことのないと思っていたアフリカ取材と、生き別れた長女とのまさかの展開。
3巻は・・・・。

この記事を書くにあたり、色々と他の読者の感想見ましたが、
皆さん2巻までは大絶賛ですね。

実は私も同じ印象です。
2巻まではオカルトとミステリのバランスがちょうどよく、
種々起こる事件や怪奇な現象も、しっかりと納得させるような書かれ方がなされていますが、
3巻の途中から、その辺の線引きが怪しくなり、
読んでいて「うーん……。さすがにそれは厳しいなぁ」となってしまう箇所が増えてきます。
しかしながら、それを含めても読んで後悔することはありません! と断言。
2巻までのハラハラドキドキだけでも、十二分に楽しめる作品です。
そして、3巻の急展開をどう評価するのかも含めて、読後も楽しめる(笑)作品となっております。
ぜひぜひ読んでほしい作品です。



<以下ネタバレ>

私的に最もウケたのは、
1巻の冒頭から超大物感満載で物語の導入役を務めた大阿闍梨の隆心。

弱い(笑

1巻からのスーパー思わせぶりなその語られ方とは裏腹に、
最後は、親玉のバキリに大きなダメージを与えるような大活躍かとおもいきや、
弟子のキロンゾと相打ちという、ズコーッ という体たらく。
それも、相手の親玉バキリはトイレに行っていて不在という、
素敵な間隙を縫う駄目さ加減。
せめて、キロンゾは瞬殺し、バキリと対決があって致命傷を与えたので、
後の大生部の勝利があったくらいじゃないと、アフリカの呪術に比べ、
日本の密教弱すぎです(笑












 

なぜ人を殺してはいけないのか

最近、幼い子供が無残にも殺される事件が報道されており、
子供を持つ身としては、とても恐ろしいし、その親御さんの気持ちを思うと、
やるせない気分になる。

ただ、猟奇的な殺人事件などは過去にくらべ大幅に件数は減少しており、
連日のマスコミ報道から、凶悪事件が増えた印象を持つ方も多いかもしれないが、
実態はそうではない。

<殺人事件の推移>

数的な検証は、いつの時代でも必要だ。
特に最近は、マスコミの印象操作が多いので、注意が必要です。


ふと思ったが、「殺人はなぜいけないのか」と言うのは、どこかで誰かに教わるのだろうか?
義務教育からの教育課程を思い返してみても、私はそれを教えられた記憶がない。
最近の凶悪犯も、教えられてないに違いない。 

そこで、もし子供に訊ねられたら、何と答えるべきか考えてみた。

・それを許すと安易に殺人が横行し、社会&経済活動が営めない世の中になるから。
・その人の可能性を消すから。
・悲しむ人がいるから。

考えてみたところ、上記3点の理由から殺人はいけないだと個人的には思う。
ここで、「個人的」と敢えて書くのは、本当の意味でそういった指針が文書化されてないのを知っているからである。
では、ひとつひとつ見ていきたい。

まず1点目は、社会活動への弊害としての観点が考えられる。
気に食わなければ殺すという事を繰り返していると、物事が前に進まなくなり、その社会は非生産的となる。
意見をぶつけると殺されるというのでは、普通に考え創意工夫も生まれにくい。
多分、殺人を認めない国と比べると、経済および文化の観点では、著しく生産性は低くなり、
国際競争力は弱まるであろう。
というか、他の国の人も、そんな国の人間が相手では、恐ろしくてビジネス(商談)のテーブルに付けないだろう。

そして2点目は、可能性の問題。
Aさん20歳を殺してしまった場合、Aさん20歳が寿命の80歳までに活動する事で成し遂げる対価の可能性を、
この世の中から消失させることになる。
それは純粋に損失であり、家族・個人・チームとしての生産性を大きく減少させることとなる。
そして一番は、それがもう戻ってこない事であろう。死んでしまったら二度と生き返らない。 

最後に3点目は、感情的な部分で、その人を失う事で悲しむ人がいるからであろう。
残された家族がネガティブになり、想定された文化的・経済的活動が閉ざされる事もあるだろうし、
悲しみが、恨みに変わり半永久的な報復合戦となっては、これまた非生産的である。
(この状態はイスラムの一部を連想させる)

こんなところだろうか。

最近思うのは、こういった理由から、人を殺してはいけませんと、
しっかりと子供に教える必要があろうという事だ。
論理に基づいた理由・根拠を教えないと、いつか、倫理を外れたおおごとをやらかす可能性がある。
子供は意外とするどい。大人が説明できない常識を曖昧にして押しつけていると、
理解できてないままに、曲解をしてしまうかもしれない。

こういった事に真摯に取り組もうと思った。
夏後半なのであった。


※ちなみに以下のリンクの本は読んでません(笑



 

これからの世界

最近よく考えるのは、これからの世界がどうなるのかということ。 
というのも去年、初めての子供が産まれたからであろう。

特に日本は人口が減少していく中で、
我々が経験してきたような価値観を同じように持っていくことは難しいだろう。

20代で結婚して、30代で家を買い、三人くらい子供を産んで・・・・
という当たり前と思われていた家族像ももはや過去である。
そもそも上記のイメージ自体も、戦後に作られた最近の価値観であり、
そういう思想は移り変わるものなのだが、意外にそれに囚われている人が世の中にはいっぱいいる。
頑固おやじなんてものも30年前くらいに天然記念物に指定されたし。

我々の親世代は、何かにつけ「貯金しておきなさい」と言っていたが、
今は貯金すること自体がリスクになる世の中となってしまった。
ちなみに、昔は郵便貯金しておくだけで、8%以上の利息がついたのだが、
(今となっては夢のよう。そりゃ貯金せいと言う訳だ)

今は、インフレ・デフレの事を考えると、貯金よりも「金」でも買っておいた方が確実性が高い。
特に不景気の時は、金の価値が上がる。みんな形があるものを信じたいのだ。


話がだいぶ逸れた。
ともかく、わたしの子供が大きくなるころには、
だいぶ世界の様相も変わっていることであろう。
コミュニケーションテクノロジーが発達してきていて、
国境の垣根もなくなるようになるかもしれない。
そうなると、もっと民族性のようなものが強く求められるだろう。
人間は弱いので、拠り所がないと心細いのだ。同じ顔の仲間を求める。


どんな世の中であっても、子供には幸せになってほしいものだ。
「幸せはいつも自分の心がきめる」と相田みつを御大も言っているとおり、
本人が、自分に後悔のないように生きられるように、
ゆっくりと大切に育てていきたいと思う。



WorldShift 未来を変えるための33のアイデア
WorldShift Osaka 実行委員会
ディスカヴァー・トゥエンティワン
2011-06-16




放置してすみません。

怠慢管理人こと藤沢です。
本当に長い間放置して申し訳ありませんでした。
こんなですけど、一応生きてます。

『 詩のある散歩道』の上梓に合わせて更新しましたが、
 その前の記事は、一年以上前のものでした……。
反省してます。

と言う訳で、頑張って書いて行こうと思いますが、
なんだろう、今はまとまった一人の時間がないからですかね。
以前は、基本的に一人の時間だけだったのですが、
子供が生まれてからはそうはいかないなと。
いやいや、時間は作る物ですので、可能な限り更新していきます。

で、『詩のある散歩道』ですが、
思ったよりキャンペーンでのDLが多く、
結果250オーバーになりました。
以前の「きんどう」さんの所とかの告知をしていない状態では、
それなりに出たのではないかと思ってます。

落として頂いた方、ありがとうございます。
ぜひ、レビューをお願いします。



詩のある散歩道
藤沢裕之(@fujisawahi)
然書房
2015-07-24




 
管理人について

藤沢裕之

藤沢です。 小説や詩を書きながら、サラリーマンをしています。Amazonにて電子書籍販売中!<電子書籍販売> http://amzn.to/YYUSsm <twitter>@fujisawahi

著作紹介
詩のある散歩道
藤沢裕之(@fujisawahi)
然書房
2015-07-24





やり過ごす日々のポートレイト
藤沢裕之(@fujisawahi)
然書房
2013-02-04



神様と6月の雨
藤沢裕之(@fujisawahi)
然書房
2013-02-05



どこでもない だれでもない
藤沢裕之(@fujisawahi)
然書房
2013-05-28


 
メッセージ

名前
メール
本文
RSS
  • ライブドアブログ